2022年度第3回(通算第7回)大学教育リデザイン研究会
学生をアクティブ・ラーナーへと育てる学士課程初年次カリキュラム-基幹教育セミナーと課題協学の実践から見えるもの-
日時
2022年8月9日(火)16:30-18:00
講師
野瀬 健 氏(九州大学 基幹教育院 教授)
内容
新たな学士課程初年次カリキュラムとしての「基幹教育」を九州大学がスタートしたのは、平成26(2014)年度です。教養教育と言わず、基幹教育と称した教育改革のフラッグになった科目が、「基幹教育セミナー」と「課題協学科目」でした。どちらも1 年次必修の授業科目で、教育方法のキーワードは「対話」「内省」「協働」でした。
後に度々引用されるようになる「アクティブ・ラーニング」の定義が登場したのは、中央教育審議会「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」(2012.08.28)の用語集(37 頁)でしょう。大学教育の界隈で「アクティブ・ラーニング」することが目的になっていくような雰囲気のなか、目的をアクティブ・ラーナーの育成からぶらすことなく、誰でもできるアクティブ・ラーニングを目指した、この教育改革は、2011 年12 月に始まった基本構想の検討から、設計、実施準備、実施へと展開していったのでした。
本学において検討を開始している「Target 2025」は、2025 年度の新入生を念頭に置くものです。この春(2022年度)から高等学校で新学習指導要領での学びが開始し、その卒業生らが本学へ入学する初年度が2025 年度であるからです。初年次教育を起点とする学士課程教育の再構築及び高大接続・入試改革という構想の中心には、学士課程初年次における探究系科目の開講があります。本研究会では、この大きな再設計の検討を深めるために基幹教育カリキュラムの実践と実績を根拠としながら、本学における展開での新たな視点や課題を深く共有し、組織的展開に向けた突破口を探ります。
【参考:九州大学21世紀プログラム】
https://www.artsci.kyushu-u.ac.jp/~21cp/