2023年度 第5回(通算第15回)大学教育リデザイン研究会
可視化の時代に、BIツールを操作してみよう!-初めての「Tableau」でビジュアライゼーションに挑戦-
日時
第1回 2024年3月21日(木)14:00-17:00
第2回 2024年3月22日(金) 9:00-12:00
場所
岡山大学(津島キャンパス)一般教育棟A44教室 *事後資料としてZoom録画を行う
講師
相生 芳晴 氏(学校法人上智学院 IR推進室 / 情報システム室 / サステナビリティ推進本部)
内容
初めて”たぶろう”と聞いた時には「それ誰?」と思ったものです。”Tableau”が設立されたのは、2003年。そもそものルーツとして、『分析フローを改善し、ビジュアライゼーションを通じて人々がデータをさらに利用できるようにすることを目的にした、スタンフォード大学のコンピューターサイエンスプロジェクトから誕生しました』とTableauのウェブサイトで紹介されています。
今やTableauは、BI(Business Intelligence)ツールのシェアでトップクラスを誇ります。BIとは、必要な情報を膨大なデータから導き出し、データ分析やレポート作成等をストレスなく行うことで、意思決定や事業推進について支援することです。ビジュアル分析を得意とするTableauが注目されるのは、まさに、”Information”を”Intelligence”へ繋ぐことが求められるデータドリブンな現代社会において必然ともいえるでしょう。
さて2013年は、日本法人である「Tableau Japan 株式会社」設立の年です。折しも、大学評価からIR(Institutional Research)への議論が、日本の大学業界で萌芽した2010年前後と同じ頃です。2008年の学士力答申*では『学習成果』『学習成果の測定・把握』『大学の諸活動に関する調査データを収集・分析し、経営を支援する職員』といった記述が、既に登場していました。それらを後押しするように、2012年の質的転換答申*は『教学マネジメント』『入学者選抜や教学に関わるデータ分析、テスト理論や学修評価等の知見を有する専門スタッフの養成や確保・活用』『学修成果』を詳細に示していました。IRという言葉が政策的に前面へ押し出されたのは、2014年の審議まとめ「大学のガバナンス改革の推進について(審議まとめ)」でしょう。学長・大学執行部を支える高度専門職として『リサーチ・アドミニストレーター(URA)やインスティトゥーショナル・リサーチャー(IRer)、産学官連携コーディネーター』『アドミッション・オフィサーやカリキュラム・コーディネーター』等が例示されています。
これらの流れを受け、組織IR・研究IR・教学IR等の分化や、組織としてのIR・機能としてのIRといった検討も生まれ、FDを上回る勢いで、日本の大学におけるIRは重要なポジションを得るようになっています。検証や評価・アセスメント、可視化といったことを課題とする大学業界の動向と、Tableau等のBIツール普及は切り離せなくなっているといえるでしょう。
本研究会では、実践編として、学務系業務に携わる職員を対象に、Tableauを実際に操作してみる機会を設けました。百聞は一”触”にしかず。BIツールを試してみることを通じて、各現場における「情報の可視化(知識化)」についての新たな視点や課題の共有、組織的展開に向けた突破口を探る場に御参加ください。
その他
主催:教学企画室
対象:学務部及び部局で学務系を職務とする職員
【参考】
Tableau
Tableau大学ユーザー会
学士力答申:中央教育審議会「学士課程教育の構築に向けて(答申)」(2008年12月24日)
質的転換答申:中央教育審議会「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」(2012年8月28日)
中央教育審議会大学分科会「大学のガバナンス改革の推進について(審議まとめ)」(2014年2月12日)