【開催報告】桃太郎フォーラム2024

桃太郎フォーラム2024を開催

 教学企画室は、9月19日、本学創立五十周年記念館金光ホールにて桃太郎フォーラム2024を開催しました。第27回目の開催となる今回のフォーラムは2部構成とし、第1部を学内者限定、第2部を学外参加者も交えた公開シンポジウムとしました。また、第2部については現地対面に加えて、Zoomのウェビナーによる中継視聴での参加も可としました。参加者は第1部と第2部を合わせ延べ210名でした。

 第1部では、冒頭、菅誠治理事(教学担当)・上席副学長より開会挨拶があり、続いて、「岡山大学における教育改革(Target2025)」の動画を上映しました。その後、田尾周一郎氏(教育推進機構)からは、新たに全学必修科目として開設する「知の探研」について、荻野勝氏(教育推進機構)からは英語科目について、花谷正氏(教育推進機構)からは全学共通科目及び全学交流科目について、それぞれ進捗報告が行われました。第1部終了時に行ったアンケート(17 件/回収率19.5%)では、90%以上の参加者が「満足」、「やや満足」と回答しています。また、各報告について「理解できた」「やや理解できた」が76%~88%となり、進捗状況が共有されたこともうかがえました。

 第2部は、テーマを「大学初年次に開設する全学必修科目への期待」とし、学外から登壇者をお招きして、初年次に置く学部混成の全学必修科目の取り組みに関する公開シンポジウムとしました。菅誠治理事(教学担当)・上席副学長の開会挨拶に続いて、和賀崇氏(教学企画室)より、初年次教育の歩みを振り返るスライドを映写しながら本シンポジウムの趣旨説明がありました。その後の各大学における事例報告は以下のようなものでした。

野瀬健氏(九州大学)による報告

 野瀬健氏(九州大学)は、九州大学における基幹教育セミナー及び課題協学科目の開発経緯、科目の概要と授業例、授業担当者向けのFD、課題と今後の展望について、2012年から10年以上の実績を踏まえ、カリキュラム運営の視点から報告を行いました。

 続く室田真男氏(東京工業大学 ※登壇時)は、東京工業大学のリベラルアーツ教育の設計企図や全体構造、初年次必修科目である「東工大立志プロジェクト」のねらいや内容例、教室に持ち込むツールが活用された学習デザイン、大学院生が学士課程の授業に参画する制度について、東京工業大学のリベラルアーツ教育を牽引してきた教員の視点から報告を行いました。

室田真男氏(東京工業大学 ※登壇時)による報告
田尾周一郎氏(教育推進機構)による報告

 最後に田尾周一郎氏(教育推進機構)は、本学において2025年度から開講する課題探究科目「知の探研」開発の経緯と企図、科目の基本構造、科目のグランドルールとなる「知の探研7か条」の作成、直近の試行授業でみえたこと、授業担当教員向けガイドブックの作成とFDについて、科目開発を担当する教員の視点から報告を行いました。

 パネルディスカッションでは、伊藤奈賀子氏(鹿児島大学)から「それぞれの事例に共通している『対話』と『混在』についてどう考えるか」、「初年次必修科目開設の本当の動機や思惑は何か」、「波及効果として何を期待するか」といったコメントが指定討論者として提示されました。コメントを皮切りに、田中岳氏(教学企画室)の司会のもと、各登壇者と意見を交え、大学初年次における全学必修科目について活発な議論が行われました。そこでは、各事例に共通することとして「省察」や「書く(思考の外化)」の追加や、「対話」における「自他の尊重」の重要性、世界や研究対象を理解する方法としての「対話」の在り方、「対話」を生む糸口としての「混在」など、今後の議論が待たれる論点が数多く出されました。また、初年次必修科目の2次効果としてある学生支援的要素、同一科目多クラス開講における質保証、学修成果の評価など、今回のテーマの周辺にある課題の整理もなされました。
 シンポジウムの最後には、三村由香里理事(企画・評価・総務担当)より閉会挨拶があり、盛会のうちに終了しました。

伊藤奈賀子氏(鹿児島大学)による指定討論コメント
パネルディスカッション

 第2部の参加者アンケート(30件/回収率22.4%)においては、90%以上の参加者が「満足」、「やや満足」と回答しています。また、事例報告やパネルディスカッションについても、95%程度の参加者が「有益だった」、「やや有益だった」と回答しており、有益な機会であったことが分かりました。自由記述には、「自大学でも初年次教育の改革が必要でしたので、とても参考になりました」、「『対話』『混在』に関する議論に強く興味をひかれました」等の感想が寄せられました。

 なお、本フォーラムを広報するにあたり、広島大学高等教育研究開発センター「新着情報通知サービス」、愛媛大学教育・学生支援機構教育企画室「ぼっちゃんメーリングリスト」を利用させていただきました。また、本フォーラムの開催について教育学術新聞にも取り上げていただきました。末筆ながら、ここに記して感謝申し上げます。

(補足)記事中の大学名は、開催日時点の名称です。東京工業大学は、2024年10月1日に東京医科歯科大学と統合し、東京科学大学となりました。

(参考情報)
 【開催案内】桃太郎フォーラム2024
 【登壇者プロフィール】桃太郎フォーラム2024

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学務部学務企画課教育支援グループ
TEL:086-251-8426
Mail:daf8424◎adm.okayama-u.ac.jp
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